日中サービス支援型グループホーム ルビア
2025.12.26
日中サービス支援型グループホーム ルビア
インタビュー
( 日中サービス支援型グループホーム ルビア の竣工写真はこちらから)
設計期間:2022.01-2023.06
施工期間:2024.03-2024.11
竣工 :2024.11.15
施設内容:1グループ 10名+短期入所1名のグループホーム2グループを併設した障がい者施設
竣工後1年、施設利用者さんが入所されて半年以上経ったタイミングで、統括施設長、ルビアの施設長にお話をお伺いしました。
設計当初から何度もお打合せさせていただき、一緒に施設を作っていただいたお二人に、お忙しい中快くインタビューに応じていただきました。

(施設の北側にある広い園庭での様子)
■統括施設長 インタビュー
Q 当初なぜ私たちに連絡しようと思ってくださったのですか?
また、初めてお会いした時のことや、私たちにご依頼いただく決断をされるまでのお話をお聞かせください。
はじめは色々な設計事務所のホームページを見ていました。そんな中で、Life&Workさんのホームページで、設計している物件の写真や、事務所でイベントやマルシェを開催してまちづくりに取り組んでいる内容のブログを読みました。元々私がまちづくりにも関心があったので、会ってお話ししてみたいと感じ、メールを送りました。
はじめて会ってみた印象は、フラットな目線でお話し出来たこと、女性のご利用者さんやスタッフさんも多いので、女性の視点を取り入れた設計が良いと感じました。
また、他社さんは実績のある既存の形の提案が多かった中、私の中にあった固定概念にとらわれたくない気持ちや一緒に自由に話しながら施設をつくっていきたいという気持ちに応えてくれそうに感じました。Life&Workさんのイメージするものには温度(あたたかさ)があるなっと思いました。
そしてLife&Workをはじめる以前に勤めていた事務所での実績のお話も聞かせて貰う中で、担当された産婦人科の雰囲気が自然素材を使っていてあたたかさがあり、とても良かったことも覚えています。
さらに、2代目である私がこれからどのようにスタッフ育成をしていくかということも常々考えていたので、Life&Workさんのほうから実際に施設を使うスタッフさんにも一緒に打合せに参加して欲しいというお話しが出たことも、Life&Workさんとであればスタッフも含めてみんなで良い施設がつくれそうだと感じました。

(上下:設計当初、既存施設を案内していただいた時の様子。施設長とサービス管理責任者の皆さんで裏の裏までご案内いただき、現状困っている点やご希望をお伺いしました)

Q どのような想いで新しいグループホームを建てようと考えられたのですか?
既存の施設は高齢化が進んでいるけれどバリアフリーが行き届いていないこと、ひとりにひとつの個室ではないこと、感染症対策がしにくかったことなどがあり、ご利用者さんが安心して一生住まわれる場所を新しくつくる必要がありそうだと感じていました。
当時の具体的な話で言うと、入退院を繰り返されている高齢のご利用者さんがいらっしゃって、その方が安心して戻ってこれるような場所づくりがしたいと思っていました。
Life&Workさんと会う2~3年前からそのようなことを考えていて、視察に行ったりする中で、日中サービス支援型グループホームという形があることを知り、この形であれば高齢のご利用者さんも安心して最後まで過ごす場所が出来ると思えました。
今回のプロジェクトでは、ご利用者さんに幸せになって欲しいという気持ちを大切にする為に、補助金は使わずに、じっくり考えられる時間をとるようにしました。
Q 私たちと設計~竣工までの時間の中で感じたことを教えてください。
一緒に一段一段階段を上りながらゴールに導いて頂いたと思っています。私たちが行きたいと思っているところに連れて行ってくれる感じでした。

(ルビアの個室に設置するためのネームプレートを利用者さんに色塗りしてもらった時の様子。ネームプレートには、顔写真も貼れるようになっいるので、利用者さんが自分のお部屋が分かりやすくなっている)


Q 竣工して1年、施設の様子は如何ですか?
ご利用者さんがルビアに移動して楽しいと笑ってくれて安心しました。建物が完成しても、この笑顔が見れるまでは安心できませんでした。
既存の施設は大きな施設な為、すべての食事を1か所の厨房で作って提供していたので、ルビアでは当初から半オープンのキッチンにしたいと考えていましたが、実際、料理をしている姿が見えたり匂いがしたりするライブ感が好評です。
また、ルビアをつくることで、ご利用者さんもスタッフさんも良い方向に変わってくれています。ルビアのご利用者さんが活動のために既存の施設に行くこともあるのですが、外出することでの刺激や気分転換という点で、住んでいる場所と別に過ごす場所が出来たことは良かったと感じています。
また全員に個室があることでひとりで過ごすことと、みんなと過ごすことを選択できるようになり、以前は大きな声が出ていたりした利用者さんも穏やかに過ごせるようになっています。こんなにも住環境が整うことで良い変化があるのだと実感しています。

(実際に使われている個室の様子)

(落成式での利用者さんたちの太鼓演奏。片方のグループ棟からもう片方が良く見える間取りならではの演出)

(大変ありがたいことに、落成式で理事長に感謝状をいただきました)
■ルビアの施設長(設計当時はサービス管理責任者)
インタビュー

(ルビアのスタッフルームにてルビアの施設長と。
スタッフルームの窓からは、中庭とそれぞれのグループの様子が見えるようになっている。)
Q 設計中のことで特に印象に残っていることを教えてください。
はじめてお会いしたときに、Life&Workさん側から実際の現場の様子を見せてもらいたいと言ってもらったことは、こちら側の仕事を理解したいという気持ちが伝わって、とても嬉しかったし、印象に残っています。
打合せに参加していた沢山の人が言う様々な意見をまとめていく力を見てスゴイなっと思っていました。毎回の打合せはとても楽しく、自分たちの意見が取り入れられてどんどん積みあがって形になっていくように感じられて嬉しかったです。自分たちが言った1言に対して様々な角度から10くらいの返答を貰えるコミュニケーションが面白かったです。
良いものをつくりたいという気持ちが伝わってきていたので、こちらも最後の最後まで希望を伝え続けたいと思えました。

(施設から外出する際に雨にぬれずにバスに乗り込めるようにというご希望で設計した段差の少ないポーチと深い軒)

(食堂と対面キッチンの様子)
Q ルビアでのご利用者さんの様子・変化・気に入っている場所のエピソードなどがあれば教えて下さい。
ご利用者さんはルビアをとても気に入ってくれています。今回の施設の内装で木目を利用してあたたかい雰囲気にしたことも影響しているのか、ご利用者さんにぬくもりや安心が伝わっているように感じます。
重度で多動のご利用者さんは中庭の光があたる場所がお気に入りで過ごしています。他にも、以前は個室に引きこもりがちだった方が、今は食堂によく出てきてくれるようになりました。その方は食堂の居心地が良いのだと思います。
室内にそういう、各々にお気に入りの居場所が出来たことが良かったと感じています。
食堂と隣接している対面キッチンでは、スタッフがなるべく窓を開放して料理をしてくれていて、ご利用者さんたちに好評です。
キッチンがあることで家に近い感覚で過ごせているように感じます。
実際の使い方としては、中庭で夏祭りをしたりテーブルを並べて食事を食べたり、バイキング形式の食事にしたり、ケーキやクッキーを作ってみたり、駐車場スペースを利用してイベントしてみたりしています。特に中庭は自由に出入りできるのでご利用者さん、スタッフともにお気に入りです。日当たりがいいので、洗濯物干しにも最適ですね。
ご利用者さんのご家族からもルビアは好評です。駐車場からのアクセスや家のように感じる雰囲気など様々な要素が、面会しやすいようで、ご利用者さんとの距離が近くなっているように感じます。

(中庭での活動の様子)
Q スタッフの皆さんの様子や変化などがあれば教えて下さい。
スタッフから「こんなことをご利用者さんと一緒にしてみたい」という要望が出てくることが多くなりました。例えばサッカーが得意なスタッフは園庭を利用してサッカーをやりたいと言ってくれています。
スタッフ側が自分の得意なことをより話してくれるようになりました。その変化の要因は色々とあると思うのですが、既存の施設に比べると今回のグループホームは規模が小さくなったことも良かったと思いますし、働く環境がより良く変化することで、人は良い方向に変わるんだと感じています。
スタッフ全体が利用者さんを喜ばせたいという気持ちで動いてくれていることが伝わってくるようになりました。スタッフ⇔ご利用者さんが呼応しあっていて、どちらもイキイキしています。
特に良かった場所をあげるとすると、
中庭は、程よい距離に気軽に出られる外部があることや、2つのグループホームの食堂をつなぐ大きなリビングのように使えていること。
広い廊下は、雨の日の散歩にちょうど良いですし、玄関と廊下の間に引き戸をつけたことで、玄関と内部のスペースをしっかり区切れたことも良かったです。
先ほどもお話したキッチンは、開閉できるガラス窓と建具で施錠もしっかりできるし、料理をしているときは窓から料理の匂いがしたり、会話ができたりする丁度いいつながり方が生まれています。

(アプローチ駐車場での活動の様子)
インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

